おおさか識字・日本語センター

【報告】第23回識字・日本語連絡会総会

 


識字・日本語連絡会第23回総会が6月18日午後、完成したばかりの住吉隣保事業推進センター(すみよし隣保館 寿)で開かれ、識字学級、夜間中学関係者、行政職員など60人が参加した。
大阪市内では識字学級が活動拠点としてきた各地区の市民交流センターが今年3月末ですべて廃止された。そのため、各学級は学校など別の拠点に移らざるをえない状況になったが、住吉支部では市民交流センターに近い場所に隣保館を建設し、識字学級もここで継続されることになった。こうした経緯と施設見学を合わせて今回の総会は住吉で開催されることになった。

総会は森実・代表幹事の主催者あいさつに続き、来賓として出席された大阪府、大阪市、堺市の担当課の紹介とあいさつをうけた。

議事として、森代表幹事が2015年度活動報告(案)と2016年度活動方針(案)を提案した。
2015年度活動報告では、おおさか識字・日本語センターに専従者が置けなくなったが、HRCビル内に事務所を確保、資料の一部を大阪教育大学に移転したこと、ボランティアによる事務局運営を始めたこと、大阪識字・日本語協議会に参画、府内の識字・日本語の課題を整理し、夜間中学を中心とする多様な教育機会確保法制定運動に合流してきたこと、東大阪の太平寺夜中の移転をめぐって大きな問題が持ち上がったが、何とか存続の方向で進んでいる現状が述べられた。

 

2016年度活動方針として、
①識字・日本語活動を推進するための課題整理が一定進められたので、今後は具体的な計画づくりを進める。
②年間の活動の柱として、総会、よみかき交流会、識字・日本語学習研究集会とし、あわせて加盟団体の協力・連携による活動、例えばパネル展などを開催する。
③おおさか識字・日本語センターして、ボランティアベースでできるかぎりの機能を果たすが、相談活動などができない状況にある。
④組織の充実として、連絡会に顧問を置くことや、幹事の拡大を目指す。
⑤昨年度のボランティアチームを運営会議として新たに再編する、の5つを柱に提案された。

活動報告と活動方針が承認、夜中発の法案、基礎教育保障学会設立などに関わって意見が出され、総会が終了。つづいて大阪府から、大阪識字・日本語協議会による「府内における識字・日本語活動促進のための課題整理」について報告があった。

特別報告として、地元・住吉地区から「住吉の取り組み、識字」の報告がされた。
住吉輪読会の学習者の一人である木本久枝さんは、信濃橋で夫と靴直しの仕事をしている頃に識字に参加しだした頃、夫にも「字ぃなろて腹ふくれるんか」と嫌みを言われ、子どもに食べさせ風呂に入れて…と、自分自身と家庭との闘いだったが、識字には同じようなお母ちゃんたちがたくさんいて居心地がよく、ほっとできた、と当時をふり返った。「そのうち、食事のあと字を練習していると娘が宿題を始めたり、通信制ができて夫も識字を始めたり、と家の中も変わってきたし、字を知らんのは親や自分らのせいではなく、差別があったからやと分かってきた。当時の住田館長に狭山事件の石川一雄さんの話を聞いて、励ます手紙を書くはずが、識字に来なくなった人がいて悩んでいることを書いてしまったが、「ふたりになっても、ひとりになっても、先のことを考えて頑張ってほしい」と逆に励まされる返事が来て、嬉しかった。識字を通して解放運動、平和運動に出会った。よかったと思う」

 

住吉輪読会学習支援者の吉田敏彦さんからは、学習者やボランティアの状況を紹介した。「家ではひとりの人が多いので、土曜日の1時~3時の活動は孤独感を癒やし、楽しいと思ってもらえることを大事にしている。文章が書けない人が多いため、プリントを書き写すことから始めている。1時間少し学習したあと、お茶を飲みながら時事問題や芸能ニュースなどを話題におしゃべりをするなかで、意識が変わってきた人もいる。石川一雄さんのご両親がお元気な頃には石川さんを家に訪ねたり、住吉に来てもらったりもした」

 

 

 

 

 


最後に残り少ない時間で住吉支部支部長の友永健吾さんが、パワーポイントで映像も使いながら地域の歴史と現在を紹介。1960年に公設置・民営の隣保館ができ、1969年から▽住民参加▽専門家の参画▽原則の策定の方針を掲げ、まちづくりを進めてきた。2002年からの一般施策化、2009年の地区3施設の一本化と体育館の閉鎖・再開を経て、2015年度末に人権文化センターが閉館。今年4月に「すみよし隣保館 寿」をオープンし、相談活動に力を入れている。

 

 

 

隣保館でのプログラムを終了後、友永健吾さんの案内で地区内のフィールドワークを行った。地区の中心を南北に通した遊歩道沿いに、かつての人権文化センター、総合福祉センター、保育所、診療所などを置き、さらにその両側に3階の低層を中心とした改良住宅を建てる、というまちづくりの理念を体感することができた。

 

 

 

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